”TOKAS Project Vol. 5”とのタイトル。
計五名の作品が展示。
入場時に入り口脇の受付で、検温~手指消毒の後、
「一階の展示は、奥のコンクリートに
実際に足を乗せて体験頂けます」との声掛け。
甚だ疑問に思いながら歩を進める。
件の展示は『ルー・チーユン/盧之筠/LU Chih-Yun』による
〔逆さまの森〕〔オブジェの唄〕。
前者はドライフラワー宜しく、天井から草花が逆さまに吊り下げられている。
それが室内の複数個所。
なるほど、森とは言いすぎも、林くらいには見えるかも。
そして問題の展示はその奥。
40㎝四方くらいのコンクリートパネルが
整然と並んでいる。
全てのパネルの表面には罅割れが、そしてその形状は
パネル毎に異なっている。
恐る恐る足を乗せると・・・・、ぐっと沈み込み
何とも不可思議な感触。
それに合わせ、ぎしぎしと音が鳴る。
罅割れの形状毎に音は異なる。
結局、敷き詰められている、全てのパネルを踏み尽くす。
だって、感触も音も面白い。
全てが微妙に違っている。
みんな違って、みんな良い(笑)。
【二階】の展示は
『橋本仁』と『シュウ・ウハン/周武翰/CHOU Wuhan』による一種のコラボで
日本統治下中の台湾に題を採ったもの。
往時の映像も流され、嘗て観た経験が無かった情景に驚く。
チャイナドレスを着て闊歩するご婦人方を除けば、
建物といい風俗といい、まるっきり日本そのもの。
戦前~戦中の政策とはいえ、これは凄い。
その様子は、足元に敷き詰められたパネルからも窺い知れ。
それは当時の台北駅の周辺地図を写したもの。
駅や地名こそは台湾のそれであるものの、
商店や会社の名称は、まるっきり日本のそれ。
「丸山鮮魚」とか「佐々木理髪」とか。
本土と同じ状態が広がっていたのだな、との
新たな驚きは、このような形で明示されてこそだろう。
会期は~10月10日(月)まで。