サブタイトルは
「その男, 彭志維 (ポン・ツー・ウェイ)」。
台湾の大学で教える作者が、
そこで出会ったある男の日常を追う。
写真は幾つかのセクションに分けられ、
各々(台湾の)地域名がタイトル宜しく付されている。
このことから主人公は、各地を転々とし、
稼ぎを家族に仕送りし、時々は地元に戻る生活を繰り返していることが判る。
嘗ては、日本でも多く見られた労務の形態だが、
最近ではどうなのだろう。
彼の地では、まだ多く残っているとの示唆だろうか。
所謂、飯場で過ごす彼の横顔からは、
家族を養う気概と、同時に言いようのない寂寥が漂う。
一方、地元に帰った時の
安堵が垣間見える表情の対比は、なんとも複雑な気分になってしまう。
会期は~9月8日(木)まで。