会期は7月10日(日)迄なので、
既に終了した展覧会。
二つの会場を使い、夫々で趣の異なる展示がなされている。
【BAG+1】では”差異と反復”=「都市を切取る」
【BAG+2】では”100年の定点観測~朔太郎・朔美写真展~”=「時を生け捕る」
前者は『近和次郎』の「考現学」や、
「トマソン」で有名な「路上観察学会」に繋がるもの。
わけても、『林丈二』による「マンホールのふた」採集に近しい。
自身の周囲に在るあらゆるものに、その興味は向かう。
後者は『萩原朔美』が『萩原朔太郎』の孫であることが大きく影響。
『朔太郎』が生前に撮った、或いは自身が被写体になった写真を、
『朔美』が場所も構図もそのままに再現しようとの試み。
百年を隔てた時の流れは、景観を大きく変える。
しかし、場そのものが持つ磁力には変化が無いようにも見える。
出色の一枚は、更に『朔美』の父親を間に挟んだ作品。
一緒に写っている女性も、その子孫をちゃんとアサインし。
掛けた労力も併せ、完璧な再現性に、思わず笑ってしまう。