RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ウエスト・サイド・ストーリー@109シネマズ川崎 2022年2月12日(土)

封切り二日目。

席数349の【シアター6】の入りは六割ほど。

 

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名作と誉の高い『ロバート・ワイズ』の
ウエスト・サイド物語(1960年)〕も
個人的にはあまり好きな作品には非ず。

当然、メルクマーク的一本と理解はしているが、
それが{ミュージカル}の文脈を変えてしまった経緯のため。

この後、社会性を盛り込んだ、且つ
ハッピーエンドでない物語りがわんさか作られるのだが、
やはり楽しく幸せな世界観にこそ、
その存在意義はあると(勝手に)思っている。


にもかかわらず今回鑑賞したのは
スピルバーグ』の監督作であることと
「IMDb」7.8
「Metascore」85
と、観客と評論家の両方の支持が滅法高かったコト。

アカデミー賞」でのセレクションはどうでも良く。

前者で言えば、
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年)〕の冒頭で
〔Anything Goes〕をたっぷりと盛り込んでおり、
ああ、この人は、この類がが好きなんだ、とも感じた経緯。

それにしても賑やかな描写ではなく、
何故にミゼラブルな作品を対象に選んだかと
訝りはしたのだが。


で、まぁ実際に鑑賞すれば、
原典を忠実になぞった造りに先ずは驚き、次いで
監督らしい、所謂、職人技を随所に見る。

また楽曲が古びてないのにも改めて感心。
これは『バーンスタイン』の作曲の素晴らしさを
再認識させられる。


が、もっとも感じたのは、
今の時代だからこそリメイクしたことの意味か。

元々は新大陸を目指し、移住してきたアメリカ人が、
先住民を迫害した歴史に加え、
今度は新たな移民を差別することの圧倒的な身勝手さ。

肌の色や人種、或いは言語の違いで
人間を差別し、時として敵対することが招く結果の悲惨さ。

イマイマの米国で溢れかえるそうした矛盾に、
敢えて〔ロミオとジュリエット〕をベースにした本作を
世に問うた心意気を買う。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


好きではないと言いながらも、外国人キャストによる
日本公演の舞台は、しっかり観ていたりもする(笑)。

その時に感じ、また今回も思ったことだが、
歌詞の発声に独特の口跡が有り、
やはり原語で聞かないと本来の良さは体感できぬ、と
改めて。

また、当地に住む者だけが判る風俗や言葉、常識もあり、
日本人がそこまでをも理解するのは
なかなかに困難であることも同様で。