RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム@TOHOシネマズ川崎 2022年1月9日(日)

封切り三日目。

席数542の【SCREEN5】の入りは八割強と盛況。

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2022年1月9日時点では
IMDb:8.8
Metascore:71
と、一般客も評論家筋も頗る高評価。

正直、眉に唾を付けていたのだが、
鑑賞後の率直な感想は、上記評点に諸手を挙げて賛同。

過去作の中でも
スパイダーマン2(2004年)〕に並ぶ出来と言っても過言ではナシ。


前作での『ミステリオ(ジェイク・ジレンホール)』の最後っ屁、
スパイダーマン』の正体が『ピーター・パーカー(トム・ホランド)』と満天下に晒されたことで
世間は騒然。

『ミステリオ』のプロパガンダが奏功し、
世情は『スパイダーマン』=善/悪に分断され
『ピーター』の暮らしは周囲を含めかまびすしい。

この辺り、『トランプ』後の実際の米国を見るようで、
何とも複雑な気持ちに。

思い込みや偏見に満ちた報道、或いは意図的な情報操作が
世間をすら変える原動力になるのは痛々しい。


そんな状況を打開するため、
ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)』に
人々の記憶から自身を消して貰うことを依頼するも、
その呪文の失敗が思わぬ結果を呼ぶ。

過去に葬ったハズのクリチャーが何故か大挙現れ敵対。
彼を窮地に追い込む。

この一連の理屈付けが本編全体の鍵となる。
関係性の練り込みがなかなかに良く出来ている。

代々と『スパイダーマン』の主役が変わることへのアンサーにもなっており、
思わずニンマリともする。


一対五の戦いは衆寡敵せず、事態を打開するために窮するも
思わぬ援軍が登場。

かなりの剛腕を駆使しながら展開される後半戦は、
目まぐるしいアクションシーンはややせわしないものの
ドラマ部分の仕上がりが上々。

もっともその過半は、目頭が熱くなってしまう内容なのだが。


タイトルにある「ノー・ウェイ・ホーム」は
世間の無理解により帰る場所を失ったことの表象と思っていたら、
更に重い内容が鑑賞者には提示され。

複数の等価交換が示され、しかし『ピーター』の決意は揺らぐことはない。
人間としての一段の成長が描かれる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


本作の展開は、製作サイドが共通であることから実現した脚本と思われ。

なので、以下は個人的な備忘録としての整理。

スパイダーマン(2002年)〕
スパイダーマン2(2004年)〕
スパイダーマン3(2007年)〕
主演:トビー・マグワイア(現時点で46歳)
監督:サム・ライミ

アメイジングスパイダーマン(2012年)〕
アメイジングスパイダーマン2(2014年)〕
主演:アンドリュー・ガーフィールド(現時点で36歳)
監督:マーク・ウェブ

スパイダーマン:ホームカミング(2017年)〕
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年)〕
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年)〕
主演:トム・ホランド(現時点で25歳)
監督:ジョン・ワッツ

マーベル・スタジオとのライセンス契約分としては
〔シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)〕
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)〕
アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)〕

製作:コロンビア ピクチャーズ/マーベル・エンタープライゼズ
配給:ソニー・ピクチャーズ
は共通。