封切り二日目。
席数542の【SCREEN5】の入りは二割に満たないほど。
原作は先頃、二十巻で大団円を迎えたという。
未読も、評を読む限りではテーマは深淵。
人と鬼との理想の世界を主人公は目指すらしい。
翻って映画化版はどうか。
予告編を見た時には
〔わたしを離さないで〕×{異世界モノ}×〔メイズ・ランナー〕にも取れ、
随分とありきたりだなぁと思う。
それでも足を向けたのは
偏に贔屓の『浜辺美波』を観たかったからで、
その想いは遂げられつつ、内容的にも思いの外良かった、が
素直な感想。
ただこちらはより{ディストピア}に寄せた表現になっている気もするが。
もっとも、本編の最大の瑕疵は子役が全員「ド」が付く下手揃いであること。
なんでこんなにダメダメなんだろう。
それとも「CX」が特定のプロダクションに肩入れしたことの無残な結果?
世の中には傑出した何人かもいるわけで、おそらくその後塵は数多。
なぜそれらを使わずに、このようなキャスティングをしたのか。
練り上げられた脚本が灰燼に帰するほどの情けない演技で、
全体のぶち壊し方が尋常ではない。
エンドロールを見ると、それなりに演技を付ける専門家が用意されているようだけど
なんの役にも立っておらず。
鑑賞者は特段、イケメンが見たいわけではなく、
上手い演技に期待してるんだから。
勘違いも甚だしい。
こんなことなら、多少設定を変えてでも
もっと演技派を用意して欲しかった。
諸説はあるものの、人間の脳は二十歳の頃に神経のネットワークが完成するとも言われており、
より選択肢が広がったろうにと、残念で仕方ない。
体力・体格面での対抗措置は
別途考えるとして。
おっと閑話休題。
『浜辺美波』『北川景子』『渡辺直美』の三人が奮闘し
物語りは進行する。
ややオーバーアクトな表現は見られるものの、
概ね許容範囲。
謎や仕掛けのばらまき方も適度、
回収も遺漏なく行われており、
原作の功か、脚本の『後藤法子』の手腕かはわからねど、
満足の行くもの。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
とは言え『浜辺美波』も十六歳が辛い外見になって来た。
ぼちぼち出演作を選ばないとね。