RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

WAVES/ウェイブス@109シネマズ二子玉川 2020年7月10日(金)

本日初日。

席数99の【シアター8】は半分の案内だと50席。

客はその九割ほど入っている感触。

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恵まれた家庭に育ち、両親からも愛情を注がれ、
レスリングでも優秀な成績を収め、
大学でのスポーツ奨学金給付が決まっている。

音楽も良くし、恋人もおり、なに不自由のない毎日。

しかし、その日常がケガによって突然途切れ、
恋人との間に諍いが起きた時に
18歳の若者はどんな行動をとるか。


彼の身に起きる二つの事件は何れもありがち。
誰にとっても可能性のあること。

それに対する主人公の反応と態度に、
先ずは共感できない。

例え父親が『星一徹』ばりのスポコンであり、
それ以外にも家庭内にわだかまりがあったとしても。

ありふれた転落ストーリーに堕して行く蓋然性が
とんと見えぬのはなんとも息苦しい。


それにしても、アメリカのハイスクールライフは凄いと
重ねて思う。

いや勿論、映像上の誇張はあるだろうけど、
飲酒に大麻を始めとするドラッグの数々、
自分の車を持ち、一軒家でのパーティと
数え上げればこれ以上はないくらいの華やかさ。

オマケに外見も老けていて、最初カレッジでのお話しかと思ったくらい。


などと違和感を持ちながらも生末を見守っていると
ストーリーは第二幕が、一幕の主人公の妹のパートが始まる。

こちらも環境的な違和感はありつつ、
内容的には遙かに得心の行く流れ。

そして両幕を通して見えて来るのは
家族の再生の物語り。

表現的に誇張されてはいるものの
(そうでなければ映画にはならないが)、
家族はこういった営みを繰り返しながら続いて行くんだとの感慨を
改めて持つ。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


現時点で「IMDb」では7.6、
「Metascore」では80の高評価。

しかし、観終わっても、そこまでの良さは感じられず、
135分の尺は冗長にさえ思える。

ひょっとして文化的な下地が違い過ぎることが
共感できぬ原因なんじゃ?と考えぬでもない。