封切り四日目。
席数４０７の【CINE11】の入りは二割ほど。
事態打開のため、当事者は一旦仮死状態となり
その間に周囲が動き回り問題を解決しようとする。
それを知る者・知らぬ者の思惑や行動が複雑に絡まり
当初の思惑とは意図せぬ方向に転がって行く。
〔ロミオとジュリエット〕以降、
繰り返し用いられて来たプロットではあるものの
本作ではそれをかなり上手く展開している。
そうした基本の筋立てはある程度予想をしていたものの
タイトルをそのまま話中のエピソードに借用していたのは
正直想定外で（笑）
事前情報は劇場での予告編のみ。
その中での『広瀬すず』ちゃんがあまりに可愛かったので
ついふらふらと鑑賞に。
眼福は期待通りで、加えて余録も幾つか。
ストーリー自体は他愛ないもの。
新薬を飲んで仮死状態になった製薬会社社長『野畑計（堤真一）』を
覚醒する前に火葬し本当に殺してしまおうとする対抗メーカーの策謀を阻止するため
娘の『七瀬（広瀬すず）』が奮闘。
影の薄い社長秘書『松岡（吉沢亮）』の助力も得、
時間の期限が迫るなか、
ジェットコースターのようなアップダウンの激しいストーリーが繰り広げられる。
遅れて来た思春期宜しく、娘の父に対する
その時期らしい葛藤も良く効く薬味のようにぴりりとそれにプラス。
脚本がＣＭプランナーの手によるものだけに、
楽屋落ちに加え有名どころのカメオ出演も多数。
伏線をたっぷりとばら撒き、丁寧に回収しつつ笑いに繋げ、
オマケに過去の名作映画からのイタダキもしっかり用意するところなんぞは
なかなかの手練れ。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
ほろりとさせるシーンを用意しながらも
重くならないコメディに仕上げているのは手柄。
想定内のハッピーエンドも
本歌へのアンサーとしてもきちんと機能している。
