封切り八日目。
席数98の【SCREEN3】は九割方の埋まり具合。
本作の舞台となったのは
サブプライムローンが不良債権化したことによるリーマン・ショックにまつわる混乱の時期。
その二十年前、バブルの絶頂と崩壊の前後で、
日本でも同様の狂乱が繰り広げられていたのだろうか。
その頃の自分は、仕事が超多忙を極めており午前様は当たり前。
経済効果的な恩恵で甘い汁を吸った記憶はとんとないのだが。
人から預かったお金を右から左に動かすことで巨額の報酬を得る。
ある種あぶく銭だからその使い方も相当に粗くなる。
その類のウォール街の住人達の素行に対する皮相な眼差しは
過去から幾度となく繰り返されたこと。
本作でも、彼等に対してのある種意趣返し的な側面はある。
が、主人公達がしたことは昏睡強盗とほぼほぼ同義なので
あまり褒められたものではない。
それでもねぇ、黒い快哉を感じてしまうのは、
やはり富の偏在への憤りや持てる者へのやっかみがあるのかも。
事実を基にした物語りとされている。
上顧客が減ったことにより撃沈した売り上げを取り戻すために企てたこと。
ストリッパー達と店は裏で結託し、
嘗ての客から金を巻き上げる算段をする。
その一連のエピソードはテンポ良くユーモアもたっぷり盛り込まれ
観ていて心が浮き立つほど。
しかし、次第に違和感を覚えるようになるのは
手にしたお金を使う段になって彼女等が実際にしていることは
金蔓である一方で嫌悪するウォール街の人間たちがしていることと
さして変わらないから。
やはりお金は慢心を呼び、
自分たちのシステムの崩壊をも次第に近づけることに。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
大きな見所は巷間言われているように
『ジェニファー・ロペス』のポールダンスを絡めたストリップティーズのシーン。
多少の筋肉のたるみはあるものの
御年五十歳でこれは凄いと驚嘆。
アカデミー賞のレースには絡むことはなかったものの
十分に値する八面六臂の活躍。