封切り十三日目。
席数84の【シアター4】はほぼほぼ満席。
続編ができるのは、前作がそれなりに評価され
興収もあったということか。
ただ個人的には、さほどの快作とは思えなかったのだが。
「コンゲーム」を「信用詐欺」あるいは「詐欺師」の
元々の意味で使用しているなら、さして異議を挟む余地はない。
しかし観終わった時に「見事に騙された」と脱帽し感服する時にこそ
「コンゲーム」の呼称は使ってもらいたい。
一作目にはその興奮が無かった、何よりも
簡単に先が読めてしまうのがどうにも興を削いだ。
その悪しき要素は、今回もきっちり踏襲され、
出て来た時点で既に役割や素性が読めてしまう登場人物が。
最後のシークエンスも〆が簡単に予見できる安易な造り。既視感が満載で
新機軸をまるっきり感じられず。
もっとも、騙し騙されを盛り込んだ喜劇として見ればハナシは違って来る。
『橘志野(広末涼子)』にでれでれする、主要な二人
『小池(中井貴一)』と『野田(佐々木蔵之介)』の鞘当ては
なかなかに面白い。
『小池』と娘の『いまり(森川葵)』、
『野田』と妻の『康子(友近)』のやり取りも同様で。
が、褒められるのはそれくらい。
物語りが勧善懲悪っぽくなるのもあまり感心しない。
『水戸黄門』か?ってくらいに善い人になってしまう『小池』は如何なものか。
もっとワルを感じさせる側面も出した方が
人物造形が深まる気がする。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
『山田洋次』の手になる〔家族はつらいよ〕同様、
ひと昔前の「プログラムピクチャ」に近い仕様でのシリーズ化を目論む思惑があるんじゃ、と
思わぬでもない。