RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

嘘八百 京町ロワイヤル@109シネマズ二子玉川 2020年2月11日(火)

封切り十三日目。

席数84の【シアター4】はほぼほぼ満席。

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続編ができるのは、前作がそれなりに評価され
興収もあったということか。

ただ個人的には、さほどの快作とは思えなかったのだが。

jyn1.hatenablog.com

 「コンゲーム」を「信用詐欺」あるいは「詐欺師」の
元々の意味で使用しているなら、さして異議を挟む余地はない。

しかし観終わった時に「見事に騙された」と脱帽し感服する時にこそ
コンゲーム」の呼称は使ってもらいたい。

一作目にはその興奮が無かった、何よりも
簡単に先が読めてしまうのがどうにも興を削いだ。


その悪しき要素は、今回もきっちり踏襲され、
出て来た時点で既に役割や素性が読めてしまう登場人物が。

最後のシークエンスも〆が簡単に予見できる安易な造り。既視感が満載で
新機軸をまるっきり感じられず。


もっとも、騙し騙されを盛り込んだ喜劇として見ればハナシは違って来る。

『橘志野(広末涼子)』にでれでれする、主要な二人
『小池(中井貴一)』と『野田(佐々木蔵之介)』の鞘当ては
なかなかに面白い。

『小池』と娘の『いまり(森川葵)』、
『野田』と妻の『康子(友近)』のやり取りも同様で。


が、褒められるのはそれくらい。

物語りが勧善懲悪っぽくなるのもあまり感心しない。

水戸黄門』か?ってくらいに善い人になってしまう『小池』は如何なものか。

もっとワルを感じさせる側面も出した方が
人物造形が深まる気がする。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


山田洋次』の手になる〔家族はつらいよ〕同様、
ひと昔前の「プログラムピクチャ」に近い仕様でのシリーズ化を目論む思惑があるんじゃ、と
思わぬでもない。