RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

AI崩壊@チネチッタ川崎 2020年2月1日(土)

封切り二日目。

席数407の【ACINE11】の入りは五割ほど。

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先にプロローグがあり本編が始まる。

ところが冒頭の、しかもかなり早い時間帯で
犯人・動機・黒幕の何れも察しが付いてしまう。

しかも、無実で追われるのは〔逃亡者〕以降も度々だし
未来の監視社会モノに至っては〔マイノリティ・リポート〕の先例も。

なので興はかなり削がれてしまい、斜に構えた態度で画面に向かうことに。

どんな逃亡劇になるんだろ?との淡い期待を持ちながらも
どちらかと言えば粗を探してしまう姿勢。

例えば鉄壁のセキュリティーを誇っているハズなのに
なぜそうも簡単にマルウェアを仕込めるのよ?とか、
武器を持っていない人間に対してぱんぱんぱんぱん狙撃するのっておかしくね?とか。


ところが終盤に向かうに連れ様相は一変、
謎の詳細が明らかにされる度毎に
あっ、これはそ~ゆ~ことだったのか、
なるほど、この行為にはそんな背景が有ったのか、と
全ては作者が創り上げた大きな仕掛けだったことが理解されるに及び
評価は一転。

これだけの構想を一人で組み上げた監督・脚本の『入江悠
凄くね、って。

小さいものから大きなものまで伏線も細やかに張られ、
それをきっちりと纏め上げて行く。


ネタを披瀝されればAIが暴走する過程にも納得。

さすがに『松尾豊』『松原仁』といった「人工知能学会」関係のお歴々が
よってたかって監修しているだけのことはある。


AIは過去のデータに学び、予測・判断を行う。

なので与えらえたデータそのものに片よりがあれば
導き出される結果が偏向するのは自明。

直近でも「Microsoft」のAIチャットボット「Tay」が不適切コメントをし出し
サービス停止に追い込まれたのは記憶に新しいところ。

本作ではそういった間違った運用をされた時のディストピアをも
エンタメに寄せて描きつつ、
未来への期待はしっかり持たせるエンディングにも好感が持てる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


主人公の娘を演じた女優さんが、どこかで見たことあるなと、
筋を追う傍ら一生懸命に脳内検索。

で、あっ!〔突撃!カネオくん〕で「日直アシスタント」をしている
『田牧そら』ちゃんじゃん!!って思い出す。

番組内ではセコイ父親のエピソードを披瀝して笑いを取るのがお約束だけど、
こちらの方が本職だったんだねぇ。

演技面ではいまだしも、テレビとは顔つきが違って見えるのはさすがに
そこそこの芸歴なだけあるわいと感心。