封切り二日目。
席数118の【シアター5】の入りは七割ほど。
〔イソップの思うツボ〕に引き続き出来の悪い一本。
先ずは役者が良くない。
殆どの出演者が演技ができておらず、特に
主演俳優にそれは極まる。
自主映画の主役だってもっと上手く演じるよね。
見ていて痛々しいほど。
次いでギャグが全く笑えない。
繰り返しのギャグも複数用意されてはいるものの、
シチュエーションと間の両方がイケてなく
場内ではくすりとも笑いが起きない。
一体、どのような意図で科白を組み立てているのか。
そして、小道具の使い方がまるでダメ。
主人公が気持ちを落ち着かせるために始終触っている
(おっぱいの感触を再現した)ボールも、
なるほどね、と感心する挿話のシーンは後にも先にも一か所のみ。
それ以外はアップのカットを多用も
まりっきり有効に使えていない。
が、最大の問題は脚本の出来。
またぞろどんでん返しを複数回繰り出すのだが、
特に最後のエピソードについては必要性さえ疑わしい。
要はそれが無くても物語としては十人分に成立し、
鬼面人を驚かすために取って付けたような唐突感が満載だから。
オマケに件のシークエンスを除けば、
ドラマの先に待ち構えている一見意外に思える出来事は
ほぼほぼ先が読めてしまう。
唯一、予見できなかった内容については先に
述べた通りで。
評価は、☆五点満点で☆☆☆。
セットやロケもチープだし、
役者の選定も含めもっとお金を掛けられなかったものかと
目立つ粗ばかりが気になってしまう。
もっとも、大ヒット作を
同じような手法で超えようとしている
監督のスタンスそのものに問題があるのかもしれないが。