RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

OKETA COLLECTION:4G@スパイラル 2021年4月24日(土)

「4G」と書いてあるから
標題展もはや四回目、とのことだろうか。

 会期は明25日(日)までも、
三度目の緊急事態宣言発出に伴い、
どのような対応になるのか見えないので
押っ取り刀でやって来る。

 

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早めの時間のせいかもだけど、
場内に人影はあまりなく。

人との距離を気にせず、
ゆったりと作品に向き合えるのは善し。

大作を中心に十名強の作品が並び、
それにあわせて監視の係員も多数配置(笑)。


猫をモチーフにした『TIDE』、
江口寿史』のタッチを彷彿とさせる『KYNE』、
モノクロで顔のない家族を描いた『五木田智央』、
一つの画面に四季の花鳥風月が混交する『松山智一』
の作品が印象的。

TDC 2021@ギンザ・グラフィック・ギャラリー 2021年4月17日(土)

会期は4月1日(木)~5月29日(土)と
随分と長め。

コロナ禍で意図的に入場者を分散させようとの試みか。

その目論見の半分は当たっているよう。

常なら押し合い圧し合いの会場内は
さほどの混雑にはなっておらず。

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元々が国際的なコンクールであるにしろ
例年にも増して海外からの作品が多い印象。

特にビデオ作品に興味を惹かれるものがこれありで
時間を忘れついつい魅入ってしまう。

 


第23回グラフィック「1_WALL」展@ガーディアン・ガーデン 2021年4月17日(土)

グランプリはまだ決まっておらず、
現状は五名の作品が素のまま展示されている。

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会場内はそこそこの賑わい。

出展者の知己だろうか
声高に会話しながら、作品の前で写メを撮り出す
女性の二人組も居たり。

 一番のお馬鹿さを感じたのは
映像も含めた『平手』の作品群。

着ぐるみにも似た衣装を纏って行為の数々は
黒い微苦笑を誘う。


表現の斬新さを思ったのは『石川晶子』の作品。
{ネオ陶芸}なるネーミングの才に感嘆。


が、最も好きなのは『八木恵梨』で
端正な構成の中に展開される不条理な世界観には何とも惹かれる。


会期は~5月15日(土)まで。

グランプリ発表は今週木曜(22日)とのことなので
それも気になるが。

三好耕三作品展@キヤノンギャラリーS 2021年4月17日(土)

サブタイトルは”SHASHIN 写真”。

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ポスターにもあしらわれている
桜のそれが印象的だけど、
展示されているのは、建物や風景と文物と雑多。

それも一つ国内にとどまらず、
米国各州の景色もありで
世界をまたにかけている空気が充満。


並んでいるのは全てがモノクロの大判写真。

大型のカメラを持ち、これらを撮って回るなど
体力勝負だよねと思わせる。


当日は作者が滞廊中で、
来場者と懇談中。

しかし、その体躯はとみれば
驚くほど小柄。

それで、この迫力ある画面かと、
違う意味で驚嘆させられる。


会期は~4月28日(水)まで。


花残り-大学日本画展@UNPEL Ⅳ 愛でる@UNPEL GALLERY 2021年4月18日(日)

"金沢美術工芸大学 日本画専攻博士二人展"とのタイトル。

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でその二人はといえば『中田日菜子』と『坂本英駿』で
何れも既見。


掲示されているプロフィールからも記憶が甦ったけど、
とりわけ前者は2017年の”ワンダーシード”で。

自身が飼育している生き物ををモチーフに
細密に描かれた本画が見ていて飽きない。


後者の作品も、特に孔雀を描いた屏風は精緻の一言。
羽根の表現が素晴らしいよねぇ。

 

会期は~4月25日(日)まで。

  

 

木村裕治展「落穂を拾う」@クリエイションギャラリーG8 2021年4月17日(土)

事前予約制がなくなり
いつ行っても大丈夫なのは有り難い。

それでも入場時の手指消毒と検温は必須。

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少し早めの時間の訪問で、
場内は意外なほどの空き具合。

それは今にも降り出しそうな、
今日の天気が背景ではどうやらなさそう。

 タイトルの主は著名なアートディレクター/デザイナーと聞いている。

展示は作品そのものよりも、同氏を形造る背景に主眼を置いたものに見え、
会場内に再現された仕事場や記憶のコラージュなどで
仔細に見ていけば、その人となりも含め再構築できる構成。

蔵書などは常のごとく、他人の所有物には興味津々で見応えあり。

ただそれ以外は、当人に対し
どれだけのシンパシーを持っているかに左右されそう。


会期は~4月24日(土)まで。

約束の宇宙@TOHOシネマズシャンテ 2021年4月18日(日)

封切り三日目。

席数224の【シャンテ-1】の入りは三割ほど。

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なんとも珍しい宇宙に行かない{宇宙映画}。

しかしそこまでの過程は、過去のどんな類似作よりも
仔細に描かれる。

例えば〔ライトスタッフ(1983年)〕でも
パイロット達の訓練の模様は目の当たりにできるも、
本作では関連機関の全面協力のもと、
それらがより丁寧に描写される。

同作では謎の場所に近い表現であった
旧ソ連の「スターシティ」ですら、
あっけらかんとカメラが入り
我々はそこの様子を手に取るように理解する。


そしまた、〔ドリーム(2016年)〕でも取り上げられた
女性であるが故の困難さも同様に(主人公は黒人ではないけれど)。

自身が幼い頃から憧れた宇宙飛行士になる夢を叶えるには
己の努力もさることながら、周囲の協力は不可欠。

が、幼い娘を独りで育てる『サラ(エヴァ・グリーン)』の場合は
母親は既に亡く、頼れるのは離婚した夫のみ。

試験に合格はしたものの、日々の訓練をこなすことさえ並大抵ではない。

三週間の隔離された環境での訓練であればまだしも、
半年にも及ぶISSでの滞在ならどうなるのか。

件の娘には学習障害があることも不安を助長する。
夫の元に預けることで、教育環境も変化するだろう。

しかし後ろ髪を引かれつつも、彼女は夢の実現に邁進する。


ここで描かれるのは、困難を乗り越える意志の強さと、
それを支える家族の絆、そして結果として得られる各人の成長。

が、孤軍奮闘しながら子供を育てる
ひとり親世帯の全てに共通の課題なのは自明。

宇宙を目指すとの設定はドラマチックさを盛り上げるための仕掛けの一つで
例えば日本であれば南極観測隊でも条件は類似だろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


エンドロールと同時に、過去に宇宙へと行った女性達の写真が挿入される。

それは彼女等の後に続くであろう
同じ環境や境遇の女性達へのエールに違いない。


中には、日本人の『山崎直子』の名前も。

複数回のミッションを成し遂げた人も何人かおり、
もうこんなに居るのかと驚くと同時に、
男性に比較すれば随分と少ないだろうと思う気持ちも。