RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

平安宮廷スポーツスタジアム@東京国際フォーラム 2020年1月9日(木)

移動の中途にちょいと覗いたら
こんな催しが。

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j-cf.jp


どうやら、これに連なる一連の企画のよう。

jyn1.hatenablog.com

 

 【ロビー】のかなりのスペースを使い、
並んでいるのは古の装束を纏った実物大の人形とジオラマ

その何れもが、日本古来の遊戯を取り上げたもの。

が、
蹴鞠=サッカー
騎射=アーチエリー
打球=ポロ

相撲=レスリン
などと、現代にも通じる部分がこれありで。

洋の東西や古今を問わず、人類が楽しみを持つ方向性って
思いの外近似してるんだな、とも思う。


会期は~1月15日(水)まで。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋@TOHOシネマズ川崎 2020年1月5日(日)

封切り三日目。

席数142の【SCREEN1】の入りは七割ほど。

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新春早々の一本は、暖かな気分に浸りたいとの思惑からの選択。

なんとなれば本日時点の「IMDb」で6.9、
「Metascore」では67と飛びぬけてはいないものの
まずまずの評価。

加えて原題の〔Long Shot〕は「望み薄」の本意ながら
「大穴」等の意味もしっかりある様で、
映画的には幸せな結末が十分に想定できるものだから。


女性が米国の国務長官になった例としては
コンドリーザ・ライス』が51歳、
ヒラリー・クリントン』が62歳の時が実例。

特に後者はその後、女性初の大統領を目指すも
2016年の本戦で『ドナルド・トランプ』に敗れたのは記憶に新しいところ。


本作は彼の国での政界、
それも若くして位を極めようとしている現国務庁長官『シャーロット(シャーリーズ・セロン)』と
彼女にスピーチライターとして雇われた『フレッド(セス・ローゲン)』の
恋と政治活動のてんやわんやを描いたもの。

邦題からは男性が主役に取れるけど、実際は女性も含めた二人の物語。


基本コメディも、昨今の世界情勢を鑑みると
特に環境問題を一つのテーマとした時点であまりにタイムリー。

現時点と五代前の米大統領を彷彿とさせる人物を配すことで、
政治の暗部を見せつつ(あ、カナダ首相の『トルドー』をあてこすっている
表現もあったな)、一方で
主人公にはしっかり正論を吐かせ対立軸を明確にする。

イマイマの『グレタ・トゥーンベリ』の論にも似た中身ながら
あくまでも外交手腕を駆使して解決させうとのスタンス。

対する旧弊勢力のやり口にどう対抗して行くのかも見所の一つ。

それ以外の設定も含め、苦く黒い笑いにも満ちている。


主人公二人の馴れ初めと、歳を経ての邂逅、
更には互いを意識するようになる流れはさらりと流しながら
それを肉付けするエピソードの数々がかなりユニーク。

政争と恋愛の二軸を上手く絡め脚本を組み立てている。

もっとも、現代の米国を描いた映画にありがちな、
同国の住人でしか判らない文化・風習をベースにした表現が多々で、
日本人が観てその半分も、いや1/3も理解して
ギャグを笑えるかと言えば、その点はかなり疑問。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


一方で「PG12」のレイテイングが付けられているのは、何故に?と思っていたら
会話や行動の節々に下ネタがたっぷりとまぶされており、
勿論それは良い意味で、本編を象徴する笑いどころ。

リニューアル・オープン記念展 コレクション展@東京都現代美術館 2020年1月3日(金)

年初にこの場所に来るのも四年ぶり。

500円の入場料が無料になる有り難い企画も、
大規模改修工事の為に館自体がお休みだったからね。

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併催されている三つの企画展からの流れの客もあろう、
場内はそこそこの来場者で賑わっている。

www.mot-art-museum.jp

開催の辞を読むと上記の期間中に新たに収蔵された四百点から
寄贈された作品を中心に百六十点と書かれている。

なるほど、ある意味、統制が取れてないと感じたのは
故が無いわけでもないのだな。


目についた作品を拾って行くと、先ずは戦争画
中でも『藤田』の二点。

「国立近代」では大作が幾点も、こちらでは小品。
それでもその彩色で、作者がぱっと判ってしまうのだから
もち味ってホントに凄いと思う。


同様に特色により作者がぱっと知れてしまう
オノ・ヨーコ』の作品群。

高い場所に掲げられた「YES」の文字は
あの有名な〔yes〕とはちと違うけど、そのあとに続く幾つかの単語を含め
歩を進めるに連れ口元に笑みがこぼれて来る。


キャッチーさから言えば女性に絶大な人気の『草間彌生』の作品は
【3F】にかなりのスペースを割いて。

先の『小野洋子』もそうだけど、少女のの頃は
「美」を形容しても良いくらいだったのは
今となっては衝撃なのは、ちょっと逸れたハナシで。


出口に近いスペースには『宮島達男』の
〔それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く〕
が変わらずに置かれている。

添えられたキャプションを読むと経年劣化により赤色発光ダイオードを交換
と書かれているけれど、それが正解な行為なのかには首を傾げる点もありで。


会期は~2月16日(日)まで。

 

至近距離の宇宙@東京都写真美術館 2020年1月2日(木)

標題よりもサブタイトルである
”日本の新進作家 vol.16”の方が通りが良いのでは。

【2階】のこちらの展示も
一般の入場料700円が無料且つ、場内はさほどの混雑にはなっておらず
鑑賞に支障がきたされないのは嬉しい限りで。

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計六名の作品群が並び、中には記憶の片隅に引っ掛かる名前も。

が、入って直ぐのスペースに配された
『藤安淳』による〔empathize〕にやはり魅かれる。


自身がそうであることがベースにあり
双子として生まれた人達を写して回る。

基本、二枚で一対ながら、
中には一葉だけがぽつんと置かれているケースが。

既に亡くなったのか、それとも音信が途絶えているのか、或いは
許諾が得られなかったのかと、その理由を勝手に推理したり。

基本、一卵性を選択しているようで、
両の写真には瓜二つの顔。

髪型や服装が似ていたり違っていたりするのも
故意かそれとも恣意かと穿った見方をしてしまう。

歳が離れてさえいれば、そんな見られ方を
されることすらないだろうにと改めて思い至る。

冒頭に配された一枚は、おそらく自分のポートレイトだろうが
自身の?それとも兄弟の?とちょっと気になる、なにせ
タイトルの「empathize」は共感や感情移入の意だから。


会期は~1月26日(日)まで。

topmuseum.jp

山沢栄子 私の現代@東京都写真美術館 2020年1月2日(木)

本日無料の日。

以前は映画を除く全館だったのが
ここ暫くは【3階】と【2階】の展示に限定。

ではあるものの標題展なら一般の入場料700円が
タダなのはやはり有り難い。

にも拘わらず、場内はかなり空き空きの状態で
ここ数年の喧騒は何だったの?と訝ってしまうほど。

展示内容によるものかそれとも
世間の志向の変化か。

ちょっと出ただけだけど、都内も川崎も
例年より人出が少なく見えるのは気のせい?

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『山沢栄子』は日本に於ける女性写真家の嚆矢と来歴にあり、
生年~没年を見れば、なるほどと納得。


展示は四つのコーナーに分けられ、
入って直ぐのスペースは”第1章 私の現代”とのタイトル。

並んでいるのは〔What I Am Doing No.**〕と題された{抽象画}めいた作品の数々。

添えられた英文キャプションも参照しながら見て行けば
元は違うタイトルだった写真も、その後標記に統一していったらしいのね。


”第2章 遠近””第3章 山沢栄子とアメリカ”ではスナップの類が。

先に並んでいたものよりも、こちらの方が好きだなぁ、単純に。


そして最終章で”第4章 「写真家」山沢栄子”ではポートレイト
中でも『山本安英』を撮ったものが多く並ぶ。

イマイマの人にはあまり関心もないだろうけど
我々の世代には〔夕鶴〕の『つう』を演じた女優さんなのよね、
もっとも並んでいるのは、それ以外の舞台での出演がメインだけれど。


明治~大正~昭和~平成を生き、戦禍もくぐりながら
しかとした足跡を残した女性の強靭な精神が
画面からぐっと溢れ出て来るような一枚一枚に目が惹き付けられてしまう。

会期は~1月26日(日)まで。

topmuseum.jp

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け@109シネマズ川崎 2020年1月1日(水)

封切り十三日目。

席数246の【シアター1】はほぼほぼ満員。

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後に〔エピソード4/新たなる希望〕と呼ばれることになる
スター・ウォーズ〕が公開されたのは高校生の時。

ストーリそのものはありがちも、映像の斬新さへの評価は論を待たず。

が、一方で『ジョージ・ルーカス』による
全九部作構想とのコメントは「嘘くせ~~!」と思ったのも事実。
たまさか作品が世界的な大ヒットをおさめたから大きく出られたのよね、とは
衆目の一致するところだったかと。

ところが三年後に封切られた〔帝国の逆襲〕で評定は頂点を極め、且つ
なるほどこれなら、サーガとして価値は確かに保障されたと
皆が納得した訳だが。

じゃあその後の、本作をも含めた七編は
特撮は更に高度化され、世界観は広がり、剣劇の演出は洗練されたものの、
ストーリーの練り込みは、先の二作に在ったモチーフが
拡大され繰り返されるだけの陳腐度が増すばかりで
正直既視感が満載、
英雄譚としての評価はどうにも右肩下がりで。


翻って本作、懐かしい人物やエピソードが大挙して出来。

シリーズの掉尾を飾るに相応しい中身なのは間違いなし。

もっともそれは繰り返される挿話を
「懐かしい」と取るか「またかよ」と反応するかの両極で、
こと自分に関しては前者。

それは冒頭に挙げた四十年強の歳月の経過が背景にあり
郷愁に近い思いを抱かされたためなのが間違いのないところのよう。

これ以外に落としどころはないよね、との
納得感もそうさせているのだろう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


それにしても、
『アナキン』がダークサイドに転向した動機も弱いと感じたけど、
皇帝『パルパティーン』が暗黒面に堕ちたことや
あれだけの強大な力を持ちえた理由は何だったのだろう、と
改めて思う。

銀河全体に権勢を振るうことは、身内を犠牲にしても
なお、それほど魅力的な目標だろうか?

ましてや、荒涼とした場所で長期間、
孤独に在ることがもたらす対価って何だろうとも
重ねて考える。

2019年まとめ

◎行った美術展等の数184(前年+8)
行きたいイベントが重なることの多い一年だった。
あと、週末は荒天も比較的多かったかと。


◎劇場で観た映画の本数95本(前年-1本)
今年も百本超えはならず。

邦画のベスト2
新聞記者
殺さない彼と死なない彼女

邦画の次点10本
こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
マスカレード・ホテル
七つの会議
九月の恋と出会うまで
居眠り磐音
さよならくちびる
アルキメデスの大戦
人間失格 太宰治と3人の女たち
見えない目撃者
楽園

洋画のベスト6本
バジュランギおじさんと、小さな迷子
グリーンブック
バイス
プライベート・ウォー
ホテル・ムンバイ
ジョーカー

洋画の次点7本
ファースト・マン
女王陛下のお気に入り
アリータ:バトル・エンジェル
天国でまた会おう
THE GUILTY/ギルティ
シークレット・スーパースター
エスタデイ 

邦画のワースト5本
チワワちゃん
サムライマラソン
多十郎殉愛記
スペシャルアクターズ
ゴーストマスター

洋画のワースト1本
アイアン・スカイ第三帝国の逆襲


◎有料放送で観た映画の本数107本(前年+18本)

面白かった邦画3本
あゝ、荒野 前編 2017年
あゝ、荒野 後編 2017年
教誨師  2018年

面白かった洋画 なし


◎今年読んで面白かったおススメ本7冊

軍事の日本史  本郷和人 朝日新聞出版
ネトウヨとパヨク  物江潤  新潮社
砂漠の狐ロンメル 大木毅  KADOKAWA
ぼくの週プロ青春記 小島和宏 朝日文庫
日本映画講義 時代劇編  町山/春日 河出書房新社
歴史認識」とは何か  大沼保昭 中央公論新社
いつかの岸辺に跳ねていく加納朋子 幻冬舎


◎今年読んだコミック24冊(前年-10冊)